第5回 〜 パーツを作る その3 〜



 今回は主翼と操縦翼面を作ります。


 多くの主翼を途中で切ってみると、右のように前方がふくらみ、後ろへ向かうにしたがって細くなるという形をしています。 これを翼型といい、機体によってさまざまな形があります。YSFlight 用に機体を作る時もこのデータがあると主翼が作りやすくなります。

 また、「ふち」がカーブしていたり、途中から上や下へ反っていたりする主翼もあります。
下のイメージは拙作 B7E7 の左主翼ですが、こういう時は断面がたくさん必要になります。



 ちなみに、今作っている minagi の主翼はこんな感じでとってもシンプルです。おそらくすぐできると思います。



 頂点を打って、面を張ったら必ず表裏設定ですよぉ? できましたか? できたらここで色を塗って一度保存しておきましょう。
 

 
 さて、お次はエルロン(補助翼)を作りましょうか。エルロンは簡単に言うと、操縦桿を左右に倒した時に動く部分です。 左右の主翼にはたらく揚力の大きさを変えることで、機体を傾けるのです。まぁ難しそうな話はボロが出るのでこのへんで…。

 エルロンを作るには、主翼の一部をカットして別のパーツにする必要があります。カットといえば第3回でキャノピーを 作る時に使ったコマンドがありますね。「Special」メニューの「Cut Polyg By Plane」です。そして、これを使うには3つの頂点が必要でしたね。覚えてますか?

 頂点が用意できたら実際にカットしますが、裏面をカットするのを忘れずに。

 
 主翼の後ろがすべてエルロンという機体もあることはあるのですが、多くはこのように主翼の途中で終わっています。

 さっきと同じコマンドの組み合わせでもいいのですが、せっかくですから新しいコマンドを使ってみましょう。「Special」メニューの「Vtx On Edge」です。 これは今ある平面の辺の上に頂点を置くコマンドです。

 辺を選択すると、赤い小さな×印と青い三角形が現れます。三角形をクリックすると頂点が打ち込まれますので、主翼後縁とさっき切った線に同じ処理をして 右の図のように頂点を配置しましょう。裏側もありますから3つですよ〜。


 ちなみにこのコマンド、実際は×印をドラッグして辺の上を動かしてから頂点を打ち込むのが本来の使い方なのですが、実は最初に×印が現れる点が その辺の中点なので、辺を1/2、1/4…にする時にも使えたりするんです。

 このコマンドだけでは頂点が増えただけですので、「Primitive」メニューの「Divide Polygon」を使って面をふたつに割りましょう。 もちろん裏側も(以下略)ですよ〜。


 面を割る「Divide Polygon」の逆が、面をくっつける「Blend Polygon」ですが、面がくっつけられない場合がよくあります。というのも 「Blend Polygon」はくっつける面が完全に同じ平面上になければならないからです。見た目にはわからなくても、微妙に角度がついていたりするというわけですね。

 また、4角形以上の平面を作った場合、すべての頂点が同じ平面上にないということがあります。もっともそれは平面ではなく曲面と呼ばれるものに なるはずですが、Gepolyx ではこのような無理な平面も作ることができてしまいます。

 このようなものを割ったあとに再度くっつけたい時は平面を消してもう一度作るしかありませんが、そもそもこのような平面は描画負荷を増大させたり、機体の美観を損ねたりする原因に なりますので、極端に無理な平面は作らないようにしましょう。



 余談が長くなってしまいましたね。ごめんなさい。


 このようになったかと思います。ここでまた保存しましょう。(先ほどのものに上書きしてもらって結構です)

 あとはこれを、動く部分(エルロン)と、動かない部分(主翼)に分けなくてはなりませんね。 まずは動く部分を先に作りましょう。

 というわけでエルロン以外の部分を消します「Delete Vertex」「Delete Polygon」を使ってもいいのですが、 真横や真上の視点に切り替えてから、「MultiVertices」メニューの「Select」と「Delete Selected Vertices」を使って一気に消す こともできます。

 「Select」はいわゆる矩形選択ツールなのですが、3次元なので最初は感覚がつかみづらく、余計な部分まで選択してしまったり、逆に選択し 忘れたりといったことがあります。若干の慣れが必要かと考えます。

 また、「MultiVertices」メニューでは、選択の反転や選択部の削除、移動などができますが、コピー・貼り付けはありません。
 さらに、削除や移動などで膨大な処理をさせると時間がかかったり強制終了したりしますので注意しましょう。




 エルロン部分だけになったら、右図のように断面部分に面を張ってすきまを埋めます。これが終われば左エルロンは完成 ですので、左エルロンであることがわかる名前をつけて保存しましょう。

 それがすんだら次は右エルロンですが、これは左エルロンを反転コピーすればすぐできますね。X = 0.00 の点を3つ打ってから 「Edit」メニューの「Mirror Image」を使います。これで両側にエルロンができますから、左エルロンと3つの点をすべて消してから保存すれば 右エルロンも完成です。

 あとは動かない部分を作れば主翼は完成となります。そこで、先ほど保存したエルロン以外を消す前の主翼を 読み込んで、今度は逆にエルロン部分を消したものを作ります。消した部分にはやはりすきまができるので、エルロンの時と同様に 断面部分に面を張っておきましょう。



 終わったらまたX = 0.00 の点を3つ打ち「Edit」メニューの「Mirror Image」で右側の主翼を 作ってしまいましょう。前や上から見てきちんと対称になっているか確認したら、いらなくなった頂点を消して保存です。
(左下の画像のようになるはずです)


 さてさて、これで主翼は完成です。

 ・主翼
 ・左エルロン
 ・右エルロン

 この3つの部品がちゃんとありますか? 確認できたら少し休憩しましょうね。文字が多くて読むのがつかれたでしょうから…。

 
 ちなみに今回は3つの部品で主翼が構成されていますが、通常はエルロンの他にもフラップやスラット、スポイラといった装備が あることが多いので、部品点数はこれよりも多くなります。加えて、主翼にランディングギアを引き込むような機体では これらの装備に加えてギアを格納する部分などもあり、これを表現する場合はさらに複雑になってきます。




 ところで、エレベータ(昇降舵)とラダー(方向舵)はどうした…って? はい、というわけで宿題なんですねぇ。


 カットの方法は今までとまったく変わりません。ただラダーだけは後ろのラインに平行にしなくてはならないので、カットする ために配置する3つの頂点の位置がある程度決まってくることに注意して下さい。(右図の三角形3)
 
 カットは右の図の番号順にやっていくのがよいでしょう。3番目は側面だけでなく下も忘れずにカットします。


 それが終わったら一度保存して、まずは動かない部分を作ります。今切った部分から後の部分をそれぞれ消して、 切った部分の断面に面を張ればよいわけですが、面自体が小さいので注意しましょう。

 さっきとは別の名前で保存したら、今度はエレベータを作ります。いらない部分はひとつずつ消してもよいですが、 「MultiVertices」メニューのコマンドを練習してみてもよいでしょう。

 断面を張ったらエレベータは完成です。ラダーも同様に作ってみましょう。






 この3つの部品がそろいましたか?


 さて、ここまでで胴体、エンジン、ランディングギア、そして主翼・尾翼と、一般的な航空機にある装備がひととおり揃いましたね。 というわけでいよいよ組み立てに入りますが、その前にいろいろな「ツール」をそろえておくと製作がはかどります。


 そこで次回は組み立ての前にそれらの「ツール」の導入方法や簡単な使い方を紹介しながら、組み立ての準備をしたいと思います。





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